スペック表だけを並べると、Kling 4.0 vs Seedance 2.5 はほぼ互角です。どちらも1回の生成で最大30秒、画像・動画・音声を混ぜたリファレンスに対応し、生成した動画をあとから編集することもできます。決定的に違うのは「今使えるかどうか」です。ByteDance の Seed チームによる Seedance 2.5 は7月31日にリリース済み。一方、快手(Kuaishou)の Kling AI が手がける Kling 4.0 のフル版は「10月リリース」とだけ告知され、日付は出ていません。現在一部のアカウントで使えるのは Kling 4.0 Flash という軽量版で、上限は20秒・720pです。
そのため、この記事の比較は各社の公式情報をもとにしています。Kling が9月30日に公開した Kling 4.0 関連の3ページと、Seed チームによる Seedance 2.5 の公式発表です。これに、Kuca で各モデルを使った場合の料金を加えました。Kling 4.0 のフル版はまだ一般公開されていないため、この記事にフル版の生成結果は含まれていません。同じメーカーの公式ページ同士で記述が食い違う箇所は、その旨を明記しています。
2026年10月4日時点の状況
- 7月31日:ByteDance Seed が Seedance 2.5 を発表。まず同社のアプリ Jimeng AI と Doubao Pro で提供が始まり、BytePlus ModelArk 経由の API は「近日提供」とされました。現在は Kuca を含むサードパーティのプラットフォームでも使えます。
- 9月28日:Kling 4.0 Flash が「一部のユーザー」向けに先行アクセスを開始。
- 9月30日:Kling が Kling 4.0 の仕様を3つのページで公開。紹介記事、4.0と3.0の比較記事、機能ページです。
- 10月:Kling によるとフル版は「10月に正式リリース」。執筆時点で具体的な日付は未定です。

つまり今 Kling 4.0 を評価するということは、スペック表を評価するということです。計画を立てる材料にはなりますが、実際の生成結果ではない点は押さえておきましょう。
Kling 4.0 vs Seedance 2.5 のスペック比較
| Kling 4.0(フル版) | Seedance 2.5 | |
|---|---|---|
| 10月4日時点の状況 | 2026年10月リリース予定。Flash は限定の先行アクセス | 2026年7月31日リリース済み |
| 1回の生成の長さ | 3〜30秒 | 最大30秒(Kuca では4〜30秒) |
| 30秒を超える場合 | 前後方向への延長で合計最大2分。ただし Kling の FAQ では「近日提供」 | 発表記事では複数回の延長で「数分」の動画に。モデルページは「2回まで延長」 |
| タイミングの制御 | 最大10枚のキーフレーム、開始・終了フレーム | プロンプトに時間帯を書いて指定。Kuca では開始フレーム、開始・終了フレームも |
| 1回あたりのリファレンス | 合計最大15点:画像10、動画5(合計30秒)、被写体7、声のリファレンス | 画像30、動画10、音声10 |
| 既存動画の編集 | テキスト・画像・被写体を使った部分編集。1タスクで最大5クリップ(合計30秒) | タイムスタンプ単位の音声・映像編集。グリーンバック、視点変更、リファレンス編集 |
| 解像度 | 720p、1080p、4K。1080p と 4K で 10bit HDR | 発表記事に上限の記載なし。Kuca では480p または720p |
| アスペクト比 | 16:9、9:16、1:1、21:9、Smart | Kuca では 16:9、9:16、4:3、3:4、1:1、21:9、アダプティブ |
| 音声 | 2チャンネルのステレオ、リップシンクの精度向上 | 映像と同時に音声を生成 |
出典:Kling の紹介記事、4.0と3.0の比較、機能ページ。ByteDance Seed の Seedance 2.5 発表記事とモデルページ。「Kuca では」と書いた項目は、Kuca のモデルページの実際の設定に基づいています。
目立つ数字はほぼ同じで、差が出るのは表の後半です。
Kling 4.0 Flash は Kling 4.0 そのものではない
Kling のアカウントですでに先行アクセスが使えるなら、触っているのは Flash で、上の表のフル版ではありません。Kling は Flash を「Kling 4.0 をベースに、その機能の一部を提供するもの」と説明しています。
- テキストから動画、画像から動画、Omni Reference
- 1回の生成は最大20秒
- 解像度は最大720p、8bit SDR
- 開始・終了フレームと複数キーフレームには非対応

欠けているのは、まさにフル版を紙の上で際立たせている部分です。キーフレームによるタイミング制御、1080p と 4K、そして HDR。Flash のクリップからわかるのは Kling 4.0 の動きや光の表現で、フル版の上限まではわかりません。720p の Seedance 2.5 と並べると解像度は同じで、1本あたりの長さは Seedance のほうが10秒長くなります。
選ぶ決め手になる4つの違い
タイミング:キーフレームか、タイムスタンプか
Kling 4.0 では、タイムライン上の任意の位置に最大10枚の画像を固定できます。Kling 自身が挙げている例は、0秒で人物が登場、6秒で商品が映り、12秒でアップ、28秒でキャンペーンの決めカット、という流れです。各ポイントで画面がどう見えるかを自分で決められます。
Seedance 2.5 は同じことを言葉で指示します。プロンプトに「0〜5秒:……、6〜10秒:……」と時間帯を書く方法で、ByteDance が公開している作例もこの書き方です。承認済みのカットとぴったり合わせたい商品の見せ場のように、構図そのものが重要な場合はキーフレームが有利です。各フレームの見た目より「何が起きるか」が大事な場合は、タイムスタンプのほうが手早く済みます。
リファレンス:数と種類
1回の生成で渡せる素材の量は、Seedance 2.5 のほうがずっと多くなっています。ByteDance の作例のひとつ、クラシックのコンサートでは、ホール、ピアニスト、メインの歌手、2つの楽器、オーケストラ、合唱団、客席に計18枚の画像リファレンスを使っています。Kling 4.0 は画像・動画・「被写体」・声のリファレンスを合わせて15点が上限です。

登場人物が多い、ロケ地や小道具の画像が大量にある、といった案件なら Seedance の上限の高さははっきりした強みです。決まったキャラクターが数人だけなら15点で足り、上限を意識することはないでしょう。どちらもテクスチャなしの3Dモデル(ホワイトモデル/クレイレンダー)の動画を使って、人物の配置やカメラワークを指定できます。Kling にはさらに「Creative Recreation」という機能があり、参考動画のテンポやカット構成をそのまま借りて、自分の商品やキャラクターに差し替えて作り直せます。
動き:Kling の売り文句と、ByteDance 自身が認める課題
Kling が4.0で一番に押し出しているのは、難しいシーンでの安定性です。格闘、スポーツ、ダンス、追従ショット、被写体を回り込むカメラワークなどです。一方 Seedance 2.5 の発表記事は、複雑な動きの物理的なもっともらしさと、多数の人物が絡むシーンの安定性については「まだ改善の余地がある」と認めて締めくくられています。
これは一方のメーカーの主張ともう一方の自己評価を並べたもので、テスト結果ではありません。ただ、何を先に試すべきかは見えてきます。アクションの多い案件なら、いちばん難しいカットを両方で生成してから決めるのが確実です。
仕上がり:解像度、HDR、音声
スペック上、納品向けなのは Kling 4.0 です。1080p と 4K、10bit HDR、21:9、ステレオ音声に対応します。ただし注意点が2つあります。Kling の紹介記事では 10bit HDR がまだ「近日提供」と書かれている一方、比較記事と機能ページでは仕様として載っています。そして、どれもフル版が出るまでは使えません。
ByteDance の発表記事には Seedance 2.5 の解像度の上限が書かれていないため、どこまで出せるかは使うプラットフォーム次第です。Kuca では480p または720p です。今すぐ Kling で1080p や4Kが必要なら、選択肢は Kling 3.0 で、1本の上限は15秒です。
日本語のセリフと画面内テキスト
日本語で動画を作る人にとって、Kling は分かりやすい状況です。Kling によると、日本語のセリフは Kling 3.0 の時点で対応済み(中国語・英語・日本語・韓国語・スペイン語)で、4.0ではポルトガル語・ドイツ語・フランス語・ヒンディー語「など」が加わります。インド英語、広東語、四川語といったアクセントや方言にも触れています。機能ページではセリフが「9つの言語・アクセント・方言」に対応するとし、画面内のテキスト、ロゴ、絵文字も同じ言語リストで対応するとしています。
画面に描かれる文字と、音声として話されるセリフは別の機能です。必要なほうが対応しているかを確認してください。
Seedance 2.5 の発表記事には、セリフの対応言語のリストがありません。代わりに、グループのシーンでも複数のキャラクターの見た目と声を安定して保てると説明しています。日本語のセリフ入りでシリーズを作る予定なら、まず Seedance で短いテストクリップを1本作ってから判断するのが安全です。Kling 4.0 は少なくとも公式の言語リストに日本語が入っています。
Kuca での料金と、ほかの利用先
Kuca ではまだ Kling 4.0 は使えません。使えるのは Seedance 2.5 と、現行世代の Kling 3.0 です。2026年10月4日時点の Kuca のクレジット料金は次のとおりです。

| Kuca のモデル | 設定 | 5秒 | 10秒 | 最長クリップ |
|---|---|---|---|---|
| Seedance 2.5 | 480p | 112 | 224 | 672(30秒) |
| Seedance 2.5 | 720p | 252 | 504 | 1,512(30秒) |
| Kling 3.0 | 720p、音声なし/あり | 56 / 80 | 112 / 160 | 168 / 240(15秒) |
| Kling 3.0 | 1080p、音声なし/あり | 72 / 108 | 144 / 216 | 216 / 324(15秒) |
| Kling 3.0 | 4K | 268 | 536 | 804(15秒) |
計算に影響する点が2つあります。
- Kuca の Seedance 2.5 は、音声を生成してもしなくても料金は同じです。
- 参考動画にも料金がかかります。参考動画の長さが出力の長さに加算され、1秒あたりの単価は低めです。Seedance で10秒・720p のクリップを作ると単体で504クレジット、10秒の参考動画を付けると608クレジットです。
月額・年額プランは料金ページにあります。Starter の月額プランは800クレジットで、720p・5秒の Seedance 2.5 クリップならおよそ3本分です。
Kuca 以外では、Seedance 2.5 は発表記事で名前が挙がった ByteDance のアプリ Jimeng AI と Doubao Pro で使えます。Kling 4.0 Flash は Kling の Creator Studio で、先行アクセス対象のアカウントにだけ提供されています。Kling はログインして確認するよう案内しています。
どちらを選ぶか

- 今週中に20〜30秒の完成動画が必要:Seedance 2.5。2つのうち、今フル機能で使えるのはこちらだけです。
- リファレンス素材が多い(キャスト、複数のロケ地、BGM など):Seedance 2.5。30 / 10 / 10 という上限は、Kling の合計15点を大きく上回ります。
- 今すぐ1080p や4Kで納品しなければならない:タイトルの2つはどちらも該当しません。Kuca の Kling 3.0 を使い、1カット15秒以内で組み立ててください。
- 特定の時点の構図をきっちり決めたい:フル版 Kling 4.0 のキーフレームを待ちましょう。それまでは、開始・終了フレームを使った短いクリップをつなぐ方法があります。
- アクション、スポーツ、ダンスなど速いカメラワーク:両方で試してください。Kling がまさに売りにしている部分で、ByteDance は Seedance の課題として挙げています。
- Kling 4.0 Flash を使える:Kling の画づくりや動きを見るために使い、4K、HDR、キーフレームのワークフローの判断材料にはしないでください。
いま天秤にかけているのは、すぐに使えるモデルと、より強力だがまだ一般公開されていないスペック表です。今月 Kling 4.0 と Seedance 2.5 のどちらかを選ぶなら、本番の制作は Seedance 2.5 で進め、いちばん難しいアクションカットを1つ取っておいて、Kling 4.0 のフル版が出た週にもう一度生成してみるのがおすすめです。
よくある質問
Kling 4.0 はもう使えますか?
フル版はまだです。2026年10月4日時点で、Kling はフル版の Kling 4.0 を10月にリリースするとしていますが、日付は発表していません。Kling 4.0 Flash は9月28日から限定の先行アクセスで提供されています。
Kuca で Kling 4.0 は使えますか?
まだ使えません。Kuca で現在使えるのは Kling 3.0(3〜15秒、720p/1080p/4K、音声はオプション)と Seedance 2.5(4〜30秒、480p または720p)です。
Seedance 2.5 は1080p や4Kで出力できますか?
ByteDance の発表記事には解像度の上限が書かれておらず、選べる解像度はプラットフォームによって異なります。Kuca の Seedance 2.5 は480p または720p です。Kuca でより高い解像度が今すぐ必要なら、Kling 3.0 を使ってください。
30秒より長い動画は作れますか?
どちらも「できる」としていますが、条件付きです。Seedance 2.5 の発表記事は複数回の延長で数分の動画が作れるとしている一方、モデルページでは「2回まで延長」となっています。Kling は前後方向への延長で合計最大2分としていますが、自社の FAQ ではまだ「近日提供」の扱いです。Kuca の Seedance 2.5 のページには、延長専用のボタンはありません。
